亘理町は東日本大震災による津波で、イチゴ農地の90%以上が浸水、畑はガレキに埋もれ、苗やハウスも全滅。また、海水は土壌や地下水にまで染み込んで、深刻な塩害をもたらしました。平成24年10月に「亘理町イチゴ団地」は建設を開始。震災前、多くのいちご農家は「土耕栽培」を採用していましたが、塩害のため、町内の農地では、その土耕栽培ができなくなったため、新しいハウスは、「高設ベンチ方式」という、これまでとは異なる栽培方法を採用。地上から1.2mほどの高さに、ヤシガラを入れたプランターを並べ、養液で栽培します。水やり、施肥、温度管理などは自動システム。また、光合成を促す二酸化炭素発生装置なども導入され、作業の効率アップを目指しました。いちばん大きな栽培ハウスは、1棟が2反5畝(2500㎡=0.25ヘクタール)です。1列50mの高設ベンチのブロックに定植された苗は500本。41列あるので、1棟約2万本です。室温は常時24度に設定され、真冬でも半袖で作業ができます。イチゴの花言葉は「幸福な家庭」。小さな花を宿した実が、だんだん大きく熟していく姿に、愛情が深まっていく様を重ねて名付けられたともいわれています。海明かり眩しい亘理町。白い花とかわいい赤い実が、光いっぱいのハウスの中で明るく輝いています。
施設名称 | 亘理町復興いちご団地 |
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施工場所 | 宮城県亘理町 |
竣工年月 | 2013年6月 |
施設面積 | 52,368m2(15,869坪) |
温室タイプ | ビニール温室 |
栽培作物 | イチゴ |
施設の特長など | 高設ベンチ方式、養液栽培施設 いちご高設栽培方式施設 多連棟式複数棟 ( 設備 ) 自動天窓換気システム、 温風式暖房設備、 遮光・保温二層式カーテン、手動式巻上換気装置、空気撹拌扇、電照ランプ (うち自社施工設備)自動天窓換気システム、手動式巻上換気装置 ( 被覆材 ) <栽培棟>農POフィルム <管理棟>エフクリーン |